Q6:ドライシッパーに液体窒素を十分に充填して海外へ送ったのですが、結果的に液体窒素がカラになってサンプルは融けていました。このドライシッパーは故障(不良品)していたのでしょうか?
輸送中にドライシッパーが転倒していたと思われます。ドライシッパーを横倒しの状態で置くと、5〜6日で液体窒素が蒸発し、凍結精子や胚が融解してしまいます。必ず、上面にTHIS SIDE UPと注意書きをして、輸送中に横倒しにしないようにしてもらうことが重要です。
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宅配業者毎に液体窒素の取り扱い規定が異なります。通常の液体窒素タンクは扱いませんが、タンクが倒れても液体窒素がこぼれないドライシッパーは取り扱う業者もあります。さらに同じ業者でも地域によって扱いが異なりますので、事前の確認が必要です。
通常の組織は適用外ですが、卵巣、精巣、精巣上体、精管などの生殖器・副生殖器は、卵子や精子を含んでいるため、生殖細胞と同じと見なされ、カルタヘナ議定書のルールが適用されます。
胚移植する初期胚の発生ステージによって異なります。レシピエントマウスにプラグがついた当日(0.5 dpc)は、前核期受精卵〜8細胞期胚を卵管に移植します。また、8細胞期胚から胚盤胞を移植する場合には2.5 dpc(あるいは3.5 dpc)に子宮に移植します。要するに卵管ステージの初期胚は卵管に、子宮ステージの胚は子宮に移植するのが一般的です。また、子宮ステージの胚を0.5 dpcの卵管に移植することも可能です。この場合、レシピエントの妊娠日令に合わせて分娩されます。しかし、卵管ステージの胚を子宮に移植することは現実的ではありません。また、レシピエントの妊娠日齢が初期胚の発生日齢より進んでいると、胚移植しても妊娠しないので注意してください。
さらに、プラグ確認日であっても深夜の移植になると移植胚が着床することはありませんので注意が必要です。これは卵管上皮細胞の繊毛運動が変化することによって胚の移動が妨げられることが原因と推察されます。日中忙しくて移植ができなかった場合は、深夜まで働くことは避け、改めて移植実験を設定するようにしてください。 |