Q28:顕微鏡で観察するとマウスやヒトの卵子や受精卵は透明感があり前核が見えますが、ウシやブタの卵子や受精卵は色が濃く前核が見えません。動物種によって卵子や受精卵の色の濃度が異なるのはなぜですか?
ウシやブタの卵子や受精卵は脂肪滴が多く、脂肪滴が多いと濃く見えます。特にブタの卵子や受精卵は脂肪滴が多く、凍結保存に弱いと報告されています。
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Q29:胚盤胞を用いた注入キメラ胚の作成のため、過排卵処理マウスから胚盤胞を採取しようとして3.5 dpcに子宮を還流しましたが、ほとんど胚が回収できませんでした。なぜでしょうか?胚11/5/2016 Q29:胚盤胞を用いた注入キメラ胚の作成のため、過排卵処理マウスから胚盤胞を採取しようとして3.5 dpcに子宮を還流しましたが、ほとんど胚が回収できませんでした。なぜでしょうか?胚盤胞を効率に得る最も良い方法を教えてください?
経験的に、マウスに過排卵処理した後に子宮還流によって胚盤胞を得ることは困難であることが知られています。 過排卵処理の影響で自然な胚の移動より早く卵管内を通過すること、また、子宮口が開いて子宮に達した胚が体外に排出されてしまうと推察されます。 そのため、2.5 dpcで卵管と子宮を還流し、得られた8細胞期胚〜桑実胚を1晩培養して胚盤胞を得るのが効率的だと考えられます。また、自然排卵で3.5 dpcに子宮を還流して胚盤胞を得るのも一つの方法です。 ウイッテン効果に関するご質問と思います。オスマウスを雌の集団に入れ込むと、雌の発情周期が同期化するといわれています。そのため、例えば、オスマウスを上段、メスマウスを下段で飼育すると、メスの発情周期が同調してしまうことがあり、偽妊娠メスを作成するときなど、ある日に発情前期のマウスが集中してしまう場合もあります。
したがいまして、少なくとも同じラックに雌雄を同居させるのは避けた方が良いように思われます。 マウスは社会順位制を持つため、有意なオスを外しても残りの群の中でNo.2のオスが優位となり、再度喧嘩が始まるので個別飼育にするしかありません。
しかし、離乳直後から同居している雄同士であれば、喧嘩の程度は低いことが経験されています。 実験動物としてのマウスや野生マウスは、Mus Musculusに属します。従いまして、遺伝子改変マウスが野外に逃亡したら、野生マウスと交配してしまうと考えられます。
(しかし、逃亡したマウスが雌の場合は容易に雄の野生マウスを受け入れますが、実験動物化された雄マウスが雌の野生マウスと交配するのは至難の業と考えられます。) 両者にデメリットは無いように思われます。両方を試して自身に合った方法を採用してください。ちなみに、通常は経卵管采法を利用して、極端に卵管采が細かったり短かったりした場合(1%程度のマウスで経験します)に、卵管壁を切開して移植している人もいます。これは経卵管采法ではハサミを用いないことが理由となっているようです。
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